まだ親になっていない多くの若者は、近い親戚にこどもが産まれたとか、教育や保育に携わる人でないかぎり「こども」という対象に当事者として向き合うことは殆どありません。しかしそんな若者の多くは「いつかはこども欲しいけどね」と、思っている。それも、そう遠くない将来の話です。
一方、今は核家族化、近所付き合いの希薄化が進む中で子育てをしていかなければならず、親は子育ての悩み相談やアドバイスを得るために、さまざまなメディアから多種多様な情報を獲得していく時代になりました。こういう時代に重要なことは、数多ある情報を取捨選択する時の軸を、しっかりと親が握っていることだと思うのです。それがないと、何を信じていいか分からないし、情報に振り回されてそもそも誰の子育てなのかも分からなくなってしまうのではないでしょうか。
このテーマに取り組むには、既に親になった人たちへのアプローチ(子育て支援等)も重要ですが、同時にこれから親になるプレ親としてのことな世代へのアプローチも重要です。考え方の押しつけではなく、自分自身の生き方にひきつけてこどもと向き合う機会を作れないか。この本は、そんな社会状況の反映でもあるのです。
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